第8話
真中くんには相変わらず取り合ってもらえない
そんな私を見た友達が
「あーゆータイプ難しいよね〜」
「いっそ滝に行っちゃいなよ」
といろんなことを言ってくる
滝はなぜかすごく積極的になって
ボディータッチが増えた
そんな私たちを見て「付き合ったの?」
なんて聞いてくる人は少なくなかった
私も滝もモテるから今まで以上に陰口が増えた
それでも滝と付き合う気は無い
私は真中くんを絶対に落とすって決めたから
放課後
みんなで輪になって教室で喋っていると
突然真中くんがこっちに歩いてきた
それをみた友達はみんな私の方を見て
「ついに?」とコソッと誰かが耳元で言った
周りの雰囲気に私も期待してしまう
だけど彼は私の横をスッと通り過ぎて
後ろにいた実里の前で止まった
全員がよくわからない顔をして真中くんを見る中
実里だけは顔を真っ青にして
やばい!という顔をしていた
実里の前まで来た真中くんは
「キミとは付き合えない」
とだけ言い帰って行った
全く理解できないまま
実里を見つめる
「あんた、どういうこと?」
1人がそう言うと
「なに?付き合えないって」
「告白したの?」
と皆んなが口々に実里を問い詰める
「ごめんなさいっ」
泣きながら謝る実里
振られて泣いてるのか
私に怯えて泣いてるのかはわからないけど
どっちにしろムカつくことには変わり無い
「さいてー」
私がそう一言言うと
みんなも実里に暴言を吐く
「麗華が真中くんの事好きなの知ってて告白するとかありえない」
私が教室を出た時に誰かがそう言ったのが聞こえた
明日から彼女はハブられるだろう
そしてそんな彼女を助ける人なんて居ない
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