第2話
私が彼に話しかけた所は
もちろん友達が見ていたわけで
放課後に寄った学校のすぐ裏のファミレスで
すぐその話題になった
「
「あー、あれっしょ?真中でしょ」
「私も見た!てかあんな人居たんだ」
ゲラゲラ笑う私の取り巻き達
私は喋らない
黙って水を飲む
ジュースは飲まないようにしている
余計なカロリーは取りたく無い
ジュースを毎日飲んでいたらあっという間にデブになる。そんなのはごめんだ
「あたし顔思い出せないんだけど!」
「私もビョー。てか存在感薄すぎ!麗華が話しかけるまで空気だったじゃん!」
それぞれが彼の事をディスり始める
だから逆の事を言ってやる
「私結構好きかも。大人の男って感じがして」
目を点にして口をポカーンと開いたまま全員が固まる
最高すぎる表情だ
アホ丸出し
2.3秒経てば直ぐにさっきとは真逆な事を言い出す
「わかるかも!ミステリアスってやつ?」
「うちのクラスの男子の中では頭良さそうだしね!」
彼の事を褒めまくる
彼女達はいつだってそうだ
たとえ自分の大好物であっても
私が不味いと言ったら二度と私の前では食べない
私のご機嫌取りの為にそこまでする彼女達は嫌いでは無い
「あのさ!」
突然、
彼女は私以上に喋らない
私のグループはハデ。
そんな中彼女だけは大人しい性格をしている
いつも笑ってみんなの話を聞いているだけ
笑顔振りまいて良い人ぶってるけど
本当はただの臆病者
下手な事言った皆んなの機嫌を損ねたく無いだけだ
そんな彼女がこのグループで一番嫌いだった
「何?」
私がそう言うと「あ、ごめんなんでもない!みんな時間大丈夫かなって思って」
あの顔は違う
絶対他に何か言いたい事があった顔だ
大体彼女はそんなくだらない事で話を遮らない
いつも時間を気にしながらも、私が帰ろうと言うまで黙って話を聞いている
まぁ、今日はどうしても帰りたい理由があったのかもしれないが、なんとなくそれは違う気がした
「あ!本当だ!もうこんな時間じゃん!」
みんな時計を見る
午後20時10分
「帰る?」
私がそう一言言えば
そうだね。と皆んなカバンを手に持ち席を立つ
ふと実里と目が会う
眉を下げ何か言いたげな顔で近づいてくる
彼女が何か言おうと口を開いた瞬間
「今日の課題なんだっけー」
いつもより少し大きめな声でみんなに聞いた
実里の話は何か面倒くさそうな予感がしたからだ
視線だけを彼女に持っていく
彼女は俯いていた。表情は見えなかったけど
どうしても言いたい事ならまた話しかけて来るだろうし、今は放っておく。
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