月猫プロジェクト



真空の中

剥き出しで

悪意の宇宙線を浴びながら

無責任な太陽光の明るさで気付く

傷ついたクレーターの深さに


月の海を一人で歩く月猫が

平気だよと足跡つけるけど

傷跡は決してみせない

気丈なまでに背筋をのばして

光のあたらない場所で

震えてる


天体望遠鏡で月を覗くように

あなたの心模様に触れることができら

でも現実は

星図の海で溺れるばかりで


空気のない海で

吐き出した感情

星の光の速さでも届かない

何億光年かけてもすれ違う残像

ブラックホールに全部落としても


消えない、君を想う月猫の

星の海に取り残された残骸感情

オートマティックに掘り起こす

そんな旧時代のプログラミングから抜け出せないままに


星図の海で溺れるばかりで







************************************************


小説家になろう内にて

神里藍緒様主催

「お月見企画」に参加させてもらった作品です。

小説も参加したかったのですが、間に合わず。それはまたドコかで短編をと思いながら

お月見をテーマに無造作に書き本当に楽しかったです。

神里藍緒様に心から感謝を。



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