用語解説

※更新に合わせて随時追加予定



―――画術関連―――


【画術】

画力を用いて空間に対し三次元的にイメージを描出する技術。行為的にはジグムント・フロイトの精神分析学における「昇華」と比較されるが、リビドー(=画力)の源が性的衝動であるとは限らないし、また画術が必ずしも社会的承認に基づくものとは限らない(犯罪利用される)という点で明別される。

【写実法】現実の事物を「現象」として捉える画法。現実世界の諸法則に即して描き出す。

【抽象法】現実の事物を「概念」として捉える画法。事物を一つの概念として自ら規定し描き出す。

【機巧画術】写実法の一つで、定量化した基礎的な部品群を組み合わせ、複雑な機械構造を画術的に実現するもの。ICの使用とISDのマルチローディング機能の運用を前提として生まれた新しい画術。ハフフィックが代表例。


【画力】

画術を行使する際に使用される精神エネルギー体。外界との接触によって発生するインスピレーションに近い。誰もが日常的に得ているが、それを自覚的に引き出すには技量が要求される。供給体系や保有量には個人差があり、高濃度の画力を短時間得られる人もいれば、低濃度で長時間得られる人もいる。いずれにせよ、時間をおけば無尽蔵に得られるエネルギーであることが特徴である。


【画術師】

広義には画術をそれなりに使いこなせる人のこと。国際法上の定義は、国家資格たるライセンスを所持しており、それに基づいた何らかの職に就いている職業従事者を指す。なので画術師と言えば基本的には国家公務員であることがほとんど。

【ペインター】抽象系画術を主に扱う画術師のこと。風景画術、超現実法、印象法など。画術師としては最も正統派。

【ドロウアー】写実系画術を主に扱う画術師のこと。拡張現実法、描形式風景画術など。ICと性質が被るものが多い。

【ブラッシャー】ICをメインに扱う画術師のこと。ハフフィックに代表される機巧画術が主流。分類上はドロウアーの一部だが、若干の皮肉を込めて使われる。


【IC】

「Image-Contents」。ある特定の事物のイメージを定量化術式によってデータ化・数量化したもの。画術師独特の生体アルゴリズムに準拠しており、データそれ自体の解釈は不可能。専用のローダーたるISDを用いて使用する。一度読み込まれると定量化術式が解除されるため、基本的に使い捨て。繰り返し使用する際は予めイメージのパターンを記憶させておくことで複製をつくる別の術式と組み合わせて使うが、現在ではISDの基本機能として自動化されている。


【ISD】

「Imagination Supporting Device」。主機能はICを読み込み、脳内で元のイメージとして再変換させること。ICをプールしておける特殊な記憶領域を備え、複数のICを登録可能。現在では多機能化し、画術を利用した様々な用途に使用される。基本となるのはウェアラブル型であり、アクセサリーのような外見を持つ。施設等で利用する際にはシート型や大型埋設タイプなど大容量の設置型が用いられる。独立統合企業群体勢力下の地域ではバイオチップ化されたISDの生後移植、I(インプラント)ISDの普及が推し進められている。それを新古典画術派、特に改派は、主体的な想像力を失った”人工想像力”=Artificial Imagination、AIとして揶揄している。一部では過激派によるIISD保持者の排斥運動、迫害行為も起きており、世界的に社会問題となっている。


【構築体】

トランシェントとも。画術によって描き出された創造物の総称。特に物体を指す。ICもこれに含まれる。


【再現率】

画術が描出する構築体が、現実に対してどれほど乖離しているかを示した度合い。100%=現実世界での実在。いかなる画術でも100%に到達することは不可能であり、99.999…%の理論限界が存在する。例外として高度な『風景画術』『伝承再現』などは再現率が100%を超過するが、これは非現実性の付与分+実在性の合算となっている。200%の風景画術であれば、例として101%の非現実性と99%の現実性という構成になっている。あくまで100%は実現不可能なラインとして現代画術での立証が成されている。


【描画式対話】

画性対話とも。抽象法によるもの。ISD内にあるIC用のイメージコンダクターを利用し、対象への回線を開くことで直接自身の意志をイメージとして転送・伝達する画術。言語化される前のイメージを用いるので、誰とでも簡単に意思疎通が図れる。あくまで画術であるため、より再現率の高い画術の干渉に遭うと断線するデメリットがある。


【ペイントリウム(施設)】

画術を利用した競技や各種イベントを行うために建設された施設。大規模なISDを駆使した写実法式風景画術など、先端技術が用いられている。


【ペイントリウム競技】

画術を使用して行う競技の内、特にフィッカーによる対戦を行う『マリオネイト』、レース競技である『イカロスロード』、射撃による陣取りを行う『ドローシュート』の三大競技のこと。世界的に人気があり、プレイヤー人口も多い。

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