第2話 僕の想い
僕はベットの上でスマホを握りしめて、ぼんやりを綾の事を考えていた。
何故、綾との関係が終わってしまったのだろう。
考えてみる。
綾は一体何が気に食わなかったのだろう。
それが分からない。
綾はこの頃情緒不安定だった。
幼馴染として長い時間を過ごしてきたから分かる。
何がいけなかったのだろう。
やっぱりオーディションを受けた事だろうか?
僕は綾とずっと音楽活動をしてきた。作詞と作曲を僕が行いギターを弾く。
その曲に合わせて歌を歌う。
綾のルックスは可愛い。声は美しく深みがある。
僕は綾とずっと音楽をやっていたかった。僕と綾なら夢をかなえられると思っていた。
普通に大学に進学して、就職を行い、サラリーマンとして普通に生活すると言う未来が見えなかったからだ。むしろごめんこうむると思っていた。
普通の暮らしだけど、そこには僕の幸せとか夢も希望も見いだせなかった。
だから音楽の道に進みたかった。
漠然だとだけど、音楽がご飯が食べられたら良いなと思っていた。
綾と一緒なら何でもできそうな気でいた。
歌手デビューくらい簡単にできると思わせるぐらいだった。
だから僕と綾は事務所のオーデションを受けたのだった。
そして現実は綾は実力と将来性を買われて合格になった。
それくらい綾の歌う歌は気持ち良かった。
僕は落選だった。
それが突きつけられた現実だった。
あまりにも厳しい現実。受け止めたくない現実だった。
その現実を受け止めたく無くて、綾から相談を受けた時に僕は感情的になっていた。自分の実力不足を棚に上げて彼女を責めていたのだ。そう自分に実力が評価されていなくて腹を立てて八つ当たりをしたのだった。
小さい子供の様に。
悔しかった。
悲しかった。
苦しかった。
妬ましかった。
初めて僕はだめだと言いう現実を突き付けられたのだった。
僕は自分の感情を受け止められず、そう言う事を繰り返し思う自分が嫌だった。
だけど綾はそっとしておいてくれた。
綾に何か話しかけられたら、どうなっていたか分からない。
自分が評価されない事に対してのいらだちのせいで。
きっと綾に対して暴言を吐き続けたに違いない。
綾は付き合いが長いから、お互いその辺の呼吸は分かっている。
綾と俺は幼馴染だったから。
ずっと子供の頃から一緒だった。
だからこれから先の未来も綾とずっと一緒だと思っていた。
そんな未来を信じていた。
その信じた未来を叶えるために綾に対していろいろアドバイスをした。
アドバイスや励ましを送るたびに綾はどんどんと情緒不安定になって行った。
綾の一番側で一番最初に応援するつもりだった。
そして言ったのだった。
歌うのが好きなら歌手になるべきだと。僕は同じステージに立てないけど応援すると言ったのだ。俺の分まで頑張ってと言ったのだった。
それから綾とは連絡が取れなくなった。
スマホは着信拒否され、家に行って家族が合わせてくれない。
僕は僕は初めての挫折と初めての失恋。
二つの苦しみを胸に抱えるのだった。
プロの歌手になって欲しい。そのための支えとして生きたい。
この二つの願いを誰か届けてくれないだろうか?
僕の想いを伝えて欲しい・・・
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