桜の詩
@tomato19775
第1話プロローグ 舞い散る桜の下での別れ
「洋平君の馬鹿」
そんな言葉と同時にビンタが飛んできた。
弱弱しいパチンと言う音と少しの痛み。
僕はあまりの事に呆然として立ち尽くしていた。
そんな二人を見守るかの様にただ桜の木から桜の花びらが舞い降りる。
突然の出来事に何を言って良いのか分からなかった。
「何をするんだよ」
やっとの事で言葉がでたけど、それは質問では無く感情に任せたままの怒りの言葉。
僕は彼女を睨み付ける。
彼女は泣いていた。
「洋平君はどうして分かってくれないの?・・・どうしてなの・・・
僕はさらにいらだつ。
彼女の涙の意味が理解できなくて、それが悔しくて。
僕が話し出せるのは怒気を隠し切れない、彼女を知るための疑問の言葉。
「話してくれないと理解できないだろ?綾、せっかく」
彼女の口から僕の言葉を遮る様に発せられた言葉。
「もういい。もういいよ」
僕の疑問に対して出た言葉は拒絶の言葉。
さらに僕を苛立たせる
さらに声をかけようと言葉を選ぶ。
「さよなら」
僕が一番聞きたくない別れの言葉。それは悲しい拒絶の言葉だから。
僕は彼女の手を取り、引き留めようとしたけど、それよりも早く綾は去って行った。僕は拒絶された事が信じられなくて立ち尽くす事がしかできなかった。
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