373文字の世界「七時前の朝」
見慣れぬ朝がやってきた。
何が違うのか分からぬまま、私は普段通りキッチンに立ち、いつものようにコーヒーと砂糖が同量入ったカフェオレを作る。
ふと思い出してテレビをつけた。
ニュースがちょうど終わり画面が変わる。すると、ここ数ヵ月全く目にしていなかったコーナーが始まった。
てっきり打ち切られたのかと思っていた私は、朝食の準備も忘れて10分間、テレビの前から動けなかった。
「おはよう」
同居人の彼女が寝室から出てきた。
私は今しがた体験した驚きを彼女に話して聞かせた。
「ここ最近見てなかったから、打ち切られたとばかり思っていたよ」
「確かにすごいことだわ」
彼女は壁掛け時計を指差した。
「あなたがこの時間に起きてくるなんて何ヵ月ぶりなのかしら」
私はようやく、自分が目覚まし通りに布団から出られたという驚きに声をあげた。
見慣れぬ柔かな朝日がリビングを包み込んでいた。
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