第3話 やっと異世界っぽくなってきましたとさ
この黒ウサギ!まだ、付いてくるのかよ。この黒ウサギは数時間前に会った女の子·シウネのポケットから落っこちた宝石の中からでてきた。もう何なんだよ、こいつ。なんか上から目線だしさ。チビのくせに。
「さっきから、聞いておったが、我は黒ウサギでもチビでもないぞ」
「え?聞こえたって、どういう...」
「そのままだ。なんだ言葉も伝わんのか?龍一は」
「おれ声に出してないぞ」
「バカかお主は。我くらいになると声に出してなくとも、考えていることなどわかるわ!」
「まじかよ!」
めんどくせええええええ!
「めんどくさいとはなんじゃ!めんどくさいとは!」
「あっ!」
「なんじゃ?」
「あの子じゃないのか?」
「ん?あれのどこがシウネなのじゃ」
「いや、あれはシウネだろ」
「いやあれは............シウネだ!」
「言っただろ?」
「アホ!早く行け!」
「あ、ああ」
クソめんどくせえええ。ホントわからんわ、こいつ。
「はい、そこ!」
「クソ!」
「あのだな、お主なんかケチョンケチョンに倒せるのだぞ!」
ホントかよ?こんな?チビが?そんなわけない!強がってるだけだろ。
「ブラッド·プリズマリン」
「へ?」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
「マジ?」
「マジ」
まじかよ!殺されるウウウ!
「そう思うなら、さっさと従っとくのだな!」
クソオオオオオ。
「シウネ!」
「へ?マリン?」
「やっと追いついたぞ」
「ポケットに入ってたじゃない」
「落っこちたらしいのだ」
「それはそうと、そちらの方は?」
「龍一だ」
「リュウイチ?」
「我が落っこちたときに拾ってくれたのだ」
「ど、どうも」
「そうだったの。ありがとう!」
クウゥゥ!やっぱ笑顔が可愛いな!
「おい!」
クソオオオオオ。この黒ウサギ!
「ああ、そうだな。おい、龍一」
「なに?」
「我の名は、マリン。マリン·ロズベリーだ。」
「お前さっき下等生物だから言わないって言ってたろ!」
「ナンノコトカナ?」
もう、いいわ。こういうやつなんだな。ん?マリンってオスorメス、どっちだ?
「我はこう見えても、オスだぞ!」
あ、そう。
「ブラッド...」
「ああ、わかった!わかったから!」
「わかればよろしい」
「あのう、その様子だと家とか無いんじゃない?」
「へ?ああ、そうだな」
確かにこの服装だとホームレスと思われてもおかしくないな。
「もし...もし、よかったら家に来ない?」
「シウネ!それはまずいじゃろ」
「いや、でも困ってるじゃない」
「でもアイツが...」
「アイツ?」
「アイツは、ライズ·クロイクだ」
「ライズ·クロイク?」
「んん~~~~...、良いんじゃない?」
「だってよ?黒ウサギ...じゃなくてマリン」
「えええええ!?ライズ!いいのか!?ホームレスというやつじゃぞ?」
「良いんじゃない?」
「ええええええ!!!」
そういうわけで、寝床GET!って寝床というより、豪邸じゃねえかあああ!
続く
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