第四章 修学旅行
第一話 レッツ、シャウト!
季節は冬。まだまだ雪は降りつもっており、北海道に訪れるには絶好の季節。日が出ていても、厳しい寒さが押し寄せてくるが、テンションが最高潮な現役高校生たちには関係のない話だ。
今日は二日目。その午前中に企画されているスキー実習をするため、俺たちはあるスキー場へと訪れていた。
俺はスキーをするのは初めてで、もちろんゲレンデを見るのも初めての経験だった。想像していたよりも、無限に広がる銀の世界。その世界を鳥のように自由に飛び回るスノーボーダーやスキーヤーが、気持ちよさそうに滑っていた。
そして、俺はその世界を彩る一つになろうと思ったのである。
が、
「おおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「「「武野―!」」」
自由に飛び回るなんてとんでもなく、俺は疾風のごとくその銀の世界を滑空していた。
いや、猛スピードで滑り落ちていた。
かっこよく言ったって仕方ない。現に俺は歯止めが利かなくなっている。
ブレーキがかけられません。
「誰か止めてぇぇぇぇぇぇ!」
「「「武野――!」」」
傍から見たらとても愉快な俺の修学旅行を語るには、二日目からじゃ楽しめないだろう。
じゃあ、語るとしよう。その一日目から。
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