目印の丘

 村の外れの小高い丘に

 オバケが一人住んでいました


 青い空なんて大嫌い

 白い雲なんてもっと嫌い

 明るい太陽なんてどっか行っちゃえ!


 いつもそんな事を言いながら

 昼間はずっと寝ています


 夜になってもする事なくて

 フラフラお散歩しているよ


 立派な立派なお屋敷に

 仲間が大勢住んでいて

 たまに遊びに行くけれど

 結局一人で帰って来ては

 いつもの丘でひとあくび


 誰も来ないから気楽でいいナ

 いつも一人だけど淋しくないゾ

 ほら、草や木や花、風が僕と踊ってくれる


 いつからそこに居るのかオバケ自身も忘れたけれど、

 本当は愛しい人をずっと待っているのです


 果される事のない約束を

 いつまでもいつまでも守り続けて

 オバケは今日も一人きり

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