終焉

 遠く遠く見る夕焼け

 紅の世界が心まで満たしていく

 誰もいないこの海で

 

 冷たい風が胸に痛い

 ぼんやり砂浜を歩いてみても

 もうそこには懐かしい記憶だけが置き去りにされていて

 ふと見上げれば一番星が泣いていた


 風鈴の音も今は淋しさ募るだけ

 ほら、虫たちが演奏を始めたよ

 ひんやりと揺れる草の中で皆それぞれに


 ぼんやりしていたら何時の間にか過ぎていた

 何もしないままにまた次の季節がやってくる

 暑いだけの日々の中一体どうしたら良かったのか

 そんな事考えている内はきっとまだ動けないのだろう


 身動き取れない自分の心

 見えない鎖を解き放て

 見た事の無い世界に行く為に


 この箱庭の世界から…

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