北風の景色

 冬の世界は薄暗くて

 薄い幕に包まれている


 時折強く吹く風が、そう、あの気難しい人のように

 今日もまた人を強く拒んでいるね


 見上げれば、雲さへも急ぎ足

 やあ、君も寝坊したのかい?


 寒々とした景色はやがて波しぶきに打ち消され

 目も開けていられないくらいに暴れてる

 あの風にそそのかされているよ


 雪は降ったかと思えば止み

 その繰り返しを続けるばかりで

 決して大地を染めたりはしない


 夜は何時も忍び足で気付かないように現れる

 何時の間にか冷えた風と共にそこにいる

 もう、仕事になんかなりゃあしないよ


 流れる光の粒の中でポツリポツリと街の灯火

 僕もまたそこに吸い込まれていく

 明日の朝までその光の中で…


 風はただ気まぐれに遊んでる

 昼も夜も飽きる事無く何時までも

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