僕の人生
1-復帰
僕が職場復帰してから2ヶ月後。
部署内が騒然としていた。時期外れの異動が発表された。
部長の異動で部下たちは大騒ぎ。次期部長は、前部署でも厳しくて有名で何人かやめさせられたとか話が飛び交っていた。そりゃ、みんなそんな部長来てほしくないに決まってる。正直、僕はどっちでもよかった。仕事がやりやすいにこしたことはないけど、会わないとわからないし、騒ぐくらいなら、とりあえずやってみればいいと思っていたからだ。でも、この異動が僕に大きく影響することになるとは、このとき思うはずもなかった。急な人事だったから、それから一週間後には新しい部長がやってきた。
僕は結構、第一印象で自分との距離を決める方だけど、そんな話で聞くほど、嫌な人にはみえなかったし、むしろ人当たりがいい人じゃないかと思っていた。他のドライバーたちは文句ぶーぶー。男なんだからとりあえず仕事しろよ。なんて思いながら、僕はそんなみんなをよそに、新しい部長にも構わず話しかけた。学生の頃の僕はふざけるとかそういうことはあまりしなかったタイプだけど、社会にでてから、わざと、ふざけてみたり、周りがあいつ大丈夫かと思うようなことをしていた。そっちのほうが、仕事するのに都合がよかった。へんに利口でいるよりよっぽどよかった。それは僕がその会社で働くために身に着けたものだった。そして、そんな調子で他の人と変わらず、うざいと思われるんじゃないかくらい、絡んでいた。みんなは彼と距離を置いていたけど、僕たちはまだ彼のことを知らない。だから、そんな敬遠する必要ないんだ。そう思っていた。少しでもお互いを知った方がいいと思いながら、仕事をしていた。
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