第2807話:セバイン・アヤトラ~間引き~
「最近どうにも数が多くなりすぎてる気がするんだよな……」
「とはいっても、どうするんだ?」
「これ以上増えるとどこかで問題が出るような気もするし、こうなったら増やさない努力をどうにかするしかないか……」
元々の世界で死んで生き返りを繰り返しているためこの世界に転生してくる仕組みのバグにハマってしまい、この世界に俺は既に数えきれない程存在している。
そして、最近は向こうで意識が変わったのか死んでも生き返れるからとゾンビアタックを常用するようになったらしく、この世界に来る俺の数が急増している。
その対策をどうしたものかと俺たちで考えているのだ。
「向こうの俺に死ぬなよって伝えるのも不可能だし……」
そんな感じで会議が難航、所詮は全員俺でありこの世界で多少違う経験をしているとはいえ同じ顔を突き合わせてもいいアイデアはなかなか出ない。
そんな中、一人が唐突に思いついた。
「こっちに来たばかりの俺を殺していけばいいんじゃないのか?」
「それは……」
「いいかもしれん」
「いいのか? 俺だぞ」
「どうせこっちに来たばかりの俺は生き返れないって知らないし、ゾンビアタックが主流になってる俺だぞ? どうとでも騙して殺せるさ」
悪魔の提案だと思うが、こっちに来ないようにというのは不可能であるため、こっちに来た俺をとりあえず殺すというのはかなり有りな提案のように思える。
その後も様々な議論をした結果、向こうの近況も知りたいししばらく新しい俺が来なかったときは残して、連続して来たときは殺してしまおうという話で落ち着いた。
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