第2185話:クリビー・シャルモ~武器~

「見たか俺の剣技!」

「あぁ、すごい剣技だ……なかなかそれほどの使い手はそうそう居るものではない。しかし……」

 偶然手合わせすることになった剣士、とてつもない修練の果てに到達したであろうその剣技は極まっていた。

 ただ、剣士自身について大きな疑問があるのだ。

「あんた、その左の腕についている大きななんだ、ドリル? ドリルでいいのか? その生まれついての武器のような器官を使っては戦わないのか?」

「ふふふ……その質問、幾度となく投げかけられたな。我が左腕のギャラクティカギガントドリルは確かに生まれ持った最強の武装ではある」

 ギャラクティカギガントドリルと言うのかその腕のドリルは……

「このギャラクティカギガントドリルを用いて生前の世界では全てを穿ち、最強の名をほしいままにしたのだがそれは生まれ持った物 に助けられただけで、他者のような努力をして身に着けた力など何一つ持っていなかったのではないか、そんな疑念に取りつかれてしまったのだ」

 運よく最強になってしまった者の苦悩と言う奴か、よくわからないな。

「ということはその、なんだ、ギャラクティカギガントドリル?というのを使うと更に強いということか?」

「ふふふ、この世界では剣ばかり修行していたからな。もうこのギャラクティカギガントドリルはさび付いてしまって動かんのだ。しっかり手入れをすれば動かんことはないと思うがな」

「なるほどな、もはや剣で戦うしかないということか」

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