第2184話:テリブ・リーメン~模擬戦~

「お前、模擬戦だからってそんな不真面目な戦い方してんなよ」

「いいだろ別に、死なないんだからさ」

「馬鹿、お前そんな姿勢でこの模擬戦に挑んでいるんじゃないよ。そんなんで何の訓練にもならないだろうがよ」

「まぁ、多少は真剣にやるぜ?」

「そうだよ、まじめにやってくれよな」

 模擬戦での相方が非常に不真面目な奴で、訓練に対しての姿勢が非常に良くない。

 こんな奴が相方では俺も危なくなってしまう。

 1人ダウン扱いになれば当然一人で戦わなければならなくなり、そうなれば不利になるのは目に見えている。

「おい、武器ぐらいちゃんと構えたらどうだ」

 そんな俺の叱責もどこ吹く風、武器すら構える素振りなくふらふらと歩いている。

「お前なぁ」

「伏せて」

「は?」

 相方の突然の警告、その直後に茂みから敵チームが飛び出してきた。

 奇襲だ。

 相方の姿勢を注意するのに気を取られて気づかなかった。

 何とか、第一攻撃は回避することに成功したが、体勢を崩してしまい、攻撃態勢に移行することができない。

 相方はやられたか? と思い、体勢を整えながらそちらに目をやると、襲撃してきたチームは二人とも手を上げて被弾したことを表していた。

 こいつ、突然の襲撃だったのにも関わらず、俺よりも先に気づいただけでなく一人で二人とも倒してしまったというのか……?

「お、おい、今の一発も当たってないってのか?」

「言ったろ? 死なないからってよ」

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