第2180話:ジャメ・フォー~しかめっ面~
「なぁ、いい加減機嫌直してくれよ……」
「…………」
彼女の誕生日を間違えて祝ってしまって機嫌を損ねてしまった。
記念日に非常に強いこだわりのある彼女は記念日を祝い忘れたり、記念日を間違えたりすると非常に面倒な怒り方をする。
だから絶対に記念日を間違えない工夫や努力をしていたのだが、
「次の記念日はいつも以上に盛大に祝うからさ!」
「あなた、私が記念日を大事にしてる意味が分かってないんじゃないの?」
「わかってる、わかってるよ! だけど間違えて祝うこともあるだろ?」
「本当に大事に思ってるなら間違えることなんてないはずよ!」
「本当に悪いと思ってるって」
しかし、間違えても仕方がないとも思っている。
なぜなら、彼女はあらゆることに記念を見出して記念日を制定する。
誕生日や付き合い始めた日の記念は当然として、初めて行った店が当たりだった場合はその店を見つけた記念などと言い出すし、面白い景色を見つければそれも記念にする。
その記念の内容に見立てた記念日の祝い方をしないといけないし、毎年来る記念日もあれば隔季で来る記念日もあったりして、非常に複雑なのだから。
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