第2169話:カラー・シラメ~分岐派生~
「以上の理論により、世界分岐生成説を提唱しているのです」
「なるほど、全ての世界は一つの共通した根源、ルーツとなる世界を持っていて、その世界から分岐進化したものが今の世界になっているということだな?」
「はい、似たような傾向をもつ世界がだいたいどの世界でも一つ二つ存在するでしょう? どの世界にも似たような生物が存在しているわけですし、事実として並行世界の概念がありそのどちらからもこの世界へ来ているような世界も存在しています」
「確かに、並行世界の存在がある世界というのは君の言う世界共通根源理論の根拠にはなっているだろうな」
「でしょう?」
「しかし、そもそも君の言う似たような生物が存在しなかったり、物理法則の基本から違う世界という物もいくらかはあるのだが……どう考える?」
「早い段階で分岐した世界なのでしょう。そちらの分岐がどれほど広がったのかは、私たちの物理から大きく逸脱しているがゆえにこの世界で探して回るというのは現実的ではありませんでした」
「なるほど、では始まりが観測されている世界についてはどうお考えに?」
「観測されているとは?」
「創世神が実在する世界です。それらは何年前に神が世界を作ったとしていて、実際にこの世界にそういう創世を経験している神も何柱か確認されているだろう?」
「それは世界に内蔵された世界なんです。ルーツより分岐した世界がその世界の神々の世界となっていて、その内側にその世界が存在している。内側にあるのだから当然ルーツから分岐派生した神々の世界の一部でしょう?」
「なるほど、そういう考え方もできる」
「なにより、この理論を裏付ける最大の証拠はですね、全ての世界の生物は死後この世界へ来るという共通のルールを持っているということです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます