第2168話:フラエル・リケード~森の王~

「私の森に何か用か……?」

 いつものように森へ狩りをしに来ていたのだけど、突然超常存在のような何者かが語り掛けてきた。

 森の王ってなんだ、管理者なのか?

 森の王って言う奴は狩りとかのことをどう考えているんだ?

 狩人絶対許さないとかそういう感じだったりするのか? なんと答えるのが正解なんだ?

「どうも、初めまして。この森は豊かなもんでして、たまに散歩に来ているんでして……」

「散歩にその腰の物は必要なのか?」

 狩りの道具とは言いづらいな、万が一機嫌を損ねてしまえば殺されても仕方がない気もする。

「いやぁ豊かな森には危険もたくさんですからね。身を守るためにも必要なものでして」

「ふむなるほど、貧弱な人間にとってはこの森も危険か……まぁ確かに、肉体的にはそこらの鹿にも劣る貧弱さであるからな、火の力に頼るのもやむなしと言ったところか。存分にわが森を堪能するが良い」

「ありがたい話です、では」

「待て」

「いっ」

 なんだ……?

「せっかくだ、私も同行してやろう」

「へぇ……」

 やりづらいな……もうこの森には来れんかもしれん。

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