第2165話:ウシミ・ファラシス~宇宙ロボット~

「お前、宇宙作業用ロボットだったんだって?」

「…………」

「地上しかないこんな世界で作られてもなんにもできないよな……宇宙が無いんだからよ」

「…………」

「宇宙行きてぇよなぁ~! 俺もお前も宇宙が生きる場所なのによぉ!」

「…………」

「まぁこんな話、感情モジュールどころか人格モジュールもなんも搭載されていないお前みたいな作業用ロボットに行っても無駄だろうがよ、俺の生まれの関係で物にももしかしたら魂みたいなのが宿ってんじゃないかって思うんだよ。この世界で奴らを見かけたこともねぇから、あいつらの魂ってのも眉唾ものなんだが……」

「…………」

「意識があるかもしれないって思って話しかけるだけでも気がまぎれるってもんだよ。じゃあな」




「聞いてくれよ、宇宙はないが、宇宙っぽい場所があるらしくてな。そこでの仕事をすることになったんだよ。お前も徴用されるかもな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る