第2163話:カパビー・レス~聖なる一~

 ある日、街で奇妙な老人に話しかけられた。

「聖なる一を探しているのだが」

「聖なる一?」

 知らない単語だ。

 聖なるも一とは何なのか……

 聖なるというのがそもそもわからないのもあるが、一とは単位としての一なのか、始まりを意味する一なのか。

 それ以外の何かなのか。

 聖なるというからには何か宗教的な意味を持っていそうで数学的な意味とは違う一がありそうな気もする。

 何か聖なる力を宿した一つしか存在するアーティファクトとかを聖なる一と称している可能性はある。

 というか、こうやって探している人がいるということを考えるとそれっぽさはある。

 まぁ、何の意味であっても全く存じている情報が一切ないので「知らない」と答えるしかない。

「本当に?」

「もちろんだとも」

「そうか……」

 そう言うと、その老人は去って行った。

 何だったんだ……

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