第2139話:クラウ・ホリース~組織力~
「うちは組織力が弱いからな……」
「まぁ組織としては事実上成立してないかも……しれませんね」
私がリーダーを務めている組織なのだが、まぁ統率もできておらず、指揮系統という物がそもそも存在していないし、メンバーはてんでばらばらに動いている。
そんな状態でもどうにか組織で仕事を受けて報酬を得るに至っているのは、一人の超人の手腕に頼っているところが大きい。
その超人は組織に所属しているすべての人間の所在を完璧に把握しきっており、あらゆる方法でその意識を調整することで彼らは依頼の内容を意識することもなく任務を完遂するのだ。
へらへらと「なんかお金がもらえるから所属してるんすよね」みたいな意識の者が大半であるにもかかわらず、どういうわけか回っているのが我が組織なのだ。
「しかし、困ったな……」
「困りましたね……」
組織の要を担っていた超人がまさか誘拐されてしまうとは思っていなかった。
奪還ミッションを打ち出したいが、それはそれとしてそれを指揮できる人間がいない。
「組織力が課題だというのをちゃんと解決しておかなかったつけか……」
「そのようですね……」
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