第2103話:ティル・ビィアダ~興業街~

『みなさんおはようございます。今日は街の中でクイズラリーを行います! それに伴って街の形を最適化しました、楽しんでくださいね!』

 朝、そんなアナウンスで目を覚ます。

 今回の催し物はクイズラリーか、確か前回は借り物競争で家の中からいろいろな物を貸し出す羽目になって結局帰ってこなかった物もいくつかある。

 それに比べたらクイズラリーはまだ迷惑が掛からなくてよいかもしれない。

 管理者が変わってから行われる催し物に結構迷惑な内容が増えてきていたが、まぁまぁいい感じの塩梅を学んだのかもしれない。

 参加してみようと外に出て、地図を確認する。

 スタート地点は家から近い場所にあり、何人か同じように向かっているのが見えた。

 朝が早い時間だからか、まだスタート地点からこちらに向かってくる人の姿は見えない。

 どんなクイズが出るのか楽しみだ。


「あなたも今からスタートなんですか? 頑張りましょう」

 近隣住民とそんな会話を交わしながらスタートする。

 では第一問は……と確認して皆絶句した。

「さすがにこの問題は……ねぇ?」

 その問題文の中に名前の有った人が、まず最初に声を出した。

 その問題は、その人の個人情報に関しての問で、合っていようと間違っていようと、問題で取り上げられた人にとってはかなり恥ずかしい目に合うことは間違いない。

 やはり新しい管理者は催し物のセンスが異常に無い。

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