第2091話:カフ・シノダ〜新聞紙〜

「まいど〜」

 朝にポストに新聞が投げ込まれた。

 定期購読をしているため、毎朝早朝に家のポストに新聞が投げ入れられる。

 ネットニュースですべてが済む時代だが紙の新聞というものもなんだかんだ便利でずっと取り続けている。

 投函の挨拶は朝の合図として丁度よく、ポストまでの往復は運動としても適度。

 ニュースの重要度もわかりやすいレイアウトでまとめられており、ネットニュース記事と違って広告も無視しやすい位置にしかない、最高だ。

 そんな新聞紙、ネットニュースにないさらなる利点が……


「とまぁ、こんな感じの新聞購読者の声があるわけですよ! どうです? あなたも新聞を定期購読しません?」

「うーん、まぁ俺はそもそもネット配信されてる方のニュースもあんまり見ないからなぁ……」

「それはよくない! 社会情勢に置いていかれてしまいますよ! 新商品の情報なんかも受け取れますし、絶対に新聞は取ったほうが良いですよ!」

「あー、まぁそうかも……ところでさっきの購読者の声、最後のところもうひと押しありそうなところで切られてたんですけど、なんだったんです?」

「あー、まぁそれはちょっとこちらとしては不本意なメリットだったので無視したいかなぁと思うんですよね……」

「なんだったんです? それ聞いたらもしかしたら買っちゃうかもしれないですよ」

「そうですねぇ、まぁ不本意ですけど……掃除や焚付に便利だと言ってましたよ……」

「あぁ、なるほど……うちでは掃除に新聞紙を使うこともキャンプをすることもないので新聞はいらないです」

「せめてニュースに興味がないからって断ってくれませんかねぇ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る