第2092話:キガスミ・ファラリウ~ビーム~

「あそこに砲台が見えるだろう?」

「あれ砲台なんですか? ちょっと形状がそうとは見えないですね」

「ん、そうかああいうのは馴染みがないか、あれは質量弾を撃ち出す砲弾ではなくて、エネルギー弾を撃ち出すことを目的としているからああいう形状をしているんだ。お前が知っている砲台は筒の奴だろ?」

「まぁそうですね。あんな尖った棒が突き出してるだけで砲台というのはちょっと無理があるかなって思いました」

「たまに開いて筒になるやつもまぁなくは何が、単純化して言えば大型で方向さえ指示することができるなら砲台たり得るということだ。破壊概念を対象方向に延長することで対象を破壊するとかいうさすがにおかしいんじゃないのかと思えるような砲台もあるわけだからな」

「それで、あの砲台がなんなのです? まさか砲台の種類の講釈をするために指し示したわけではないでしょう?」

「ああ、そうだな。作戦の説明なんだが、あの砲台はエネルギー指向兵器の砲台なんだ。光の速度で熱エネルギーの塊が飛んできて着弾地点の物体は蒸発する」

「こわ……回避不能だから照準をつけられないように気をつけろって話ですか? 気をつけようがないような気も……」

「いや、案外穴はあるものでな。照準用レーザーを鏡を使って散らしてしまうとあの砲台は安全装置が作動して発射することができないらしい。だから常にあの砲台に向けて鏡を構えているといいらしいんだ」

「そんな馬鹿な……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る