第2040話:ヴィラ・ヴァニニ~魔術学校~

「魔術の基礎から学びたいと」

「ええ、ずっとこの世界で携帯端末デバイスで魔法を使ってきたけど、だんだんと仕組みが気になりだしてきたので、一度ちゃんと一から学んでみようかと思ったんですが……やっぱり魔術学校は才能が無いとダメですか……?」

「知識としての魔術を学ぶのであれば特段才能の類は必要としませんし、この世界であれば魔術を行使しようと思えば才能を補助する道具はいくらでもありますから……そうですね、誰にでも門戸は開かれていると言えるでしょう」

「本当ですか!?」

「ええ、本当ですとも。学ぶ意欲があるのであれば誰にでも、意欲さえあればですが」

「それだけ念押ししてくるってことは意欲を維持するのが大変ということ……?」

「ええ、そうです。この魔術学校には、というかこの世界にある魔術学校にはもともとの世界で修めていた魔術の系統を極める者か全知全能を目指して知識を求める者ぐらいしか在籍していません、それは何も下地が無い状態から魔術を学ぼうと思ったときに選択肢が膨大すぎるため、選択肢を提示された時点で意欲の半分は失われると思ってかまわない」

「一応学びたい系統は決めてきたので……」

「ほぉ、見込みがあるな。では歓迎しよう、未知に踏み出すものを常に我々は歓迎する」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る