第2035話:皇勇人~変遷~

「この世界に来てからもう5年かぁ」

 今日も今日とていつもの喫茶店で時間をつぶしているとふと気づいた。

「確かに日付的にはもうちょっと先だと思いますが、大体そんな時期ですね」

「春だったんだよ、あの時。だからあったかくなってくるともう1年経ったのか~っていうそおんな気持ちになるんだ」

「誕生日がある季節は印象に残りやすいみたいな感じですか?」

「大体そんな感じ。でさぁ、気づいたらもう5年なんだよ、いやーあれからだいぶ体も成長してきて、かなり以前の顔に近くなってきた。でも、なんか背が伸びるのは少し遅い気がするんだよな……なんでだろ」

「筋肉がついてるからじゃないですか? 子供のころに筋肉がついてると背が伸びづらくなると聞いたことがあります。たぶんハンターなことをしてるせいで前の人生よりも運動量が多くて筋肉がついてるんですよ」

「え、マジか…… もともとあんまり背の高い方じゃなかったんだけど、それよりも伸びないかもってこと? 嫌だなぁ……背の低い人に対しても対等に接してくれる人は結構多いけど、それと自分の見た目が昔なじんでたものと違うものになるって言うのはまた別の話だもんなぁ」

「まぁいいんじゃないですか? もう向こうの人生は終わってるわけだし、この世界はこの世界で生きてきた人生相応の見た目になるんですから」

「まぁ、そういう考え方もあるか……」

「なんだったら整形手術も豊富ですし」

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