第2022話:ヤウロ・ライビラル~長生きな動物~

「あの動物は伝承上では千年生きるとされているんだ」

「本当にそんなに生きてるんですか?」

「いや、そんなには生きない。ものすごい長生しても200年といったところかな」

「それでも結構長生きだなぁ……」

「数代にわたって同じ個体を見続けたらまぁ生まれたところと死ぬところが観測されないわけだから、死ぬところを見ても「ああ、あの個体は私が生まれる前からずっと長生きしてきたんだ、きっと何百年も生きているんだろう」「私が死んでもまだあいつは元気だ、これからもずっと生きていくのだろう」という感じで、ずっと生きてきた、生きているという気になるんじゃないか?」

「なるほど?」

「たまに本当に不死で数千年ぐらい生きている生物もいるんだけど、そういう生物はこの世界にはいないんだよ」

「本当に死なないなら何らかの理由で対策立てられて狩られるとかでもしない限り死なないわけだしね」

「でも得てしてそういう生物は薬の材料になるとか言って積極的に狩られがちなんだよな」

「じゃあやっぱりこの世界にもいるってことじゃん!」

「いや、本当に死なない生物は伝説通りの対策をしたところで死なないのでこの世界にはいないんですよ」

「でも薬の材料にされてるんですよね?」

「見かけ上何かしらの素材を落として消えても死んでないのでこの世界では見かけないんですよねぇ。肉片一片から全身が再生するような再生力を持ってたりね」

「なるほどなぁ……」

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