第2010話:チパ・ミチル~遊園地~

「うおー! 遊園地! 雰囲気だけで楽しい!」

「楽しそうでよかった。まだなんにも乗り物に乗ってないというのにそんな楽しんでいると乗り始めたら疲れて死んでしまうぞ」

「私の体力は無限だからな! ついてくるお前の方が心配だぞ!」

「まぁ適度にばてない程度について行きますよ。手加減んは……まぁしなくていいです。今日は姫に楽しんでもらうのが目的ですから、私に気を遣う必要はありませんよ」

「そうか? 私はお前にも楽しんでもらいたいと思っているぞ?」

「私は姫が楽しんでくれればそれだれけで楽しいんですよ、では行きましょうか」

「うん!」




「あー。遊園地なめてた……」

 姫の体力もなめていた、どうして子供というのはここまで体力があるのか。

 それにしても遊園地だ、どのアトラクションも座って待つだけで景色が流れたりする運動らしい運動をすることは一切ないのに、どうしてこうも体力が減るのか。

「チパ、大丈夫か? 疲れちゃったか?」

「いえ、大丈夫ですよ、次はどれに乗りますか?」

「んー…… そうだ! あれはどう?」

「どれどれ……」

 あー、姫は優しい方だ。姫が指したアトラクションは観覧車、本当に座って景色を眺めるだけのアトラクションだ、他と違うのはただゆっくりと回るだけで体力を使う要素が無いということ。


「チパ! 見て見て!」

「どれです姫様?」

 観覧車もなめていた、あっちこっちと指された物を探して感想を言わなければならないとは。

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