第2004話:カルモ・ミーラ~このままずっと~

「永遠に終わらない世界、素敵ですよね」

「少なくとも死ぬまで終わる予定が無いのはありがたい」

 私たちの故郷は私たちが生まれた時にはすでに終わることが定まっていて、子供のまま世界の最後を迎えることが最初から分かっていた。

 そんな世界だったから、いろいろと苦労が多かった。

 世界が終末を迎えることがわかっているのに子供を作り生むことは確定している不幸の世界を子供に押し付ける非人道的行為だと非難された両親は物心つく前にいなくなった。

 世間からはかわいそうな子供として腫物を触るように扱われ続け、周りには大人しかいないために子供の遊び場になり得る場所もなく、今思うとひどい幼少時代だったように思える。

 悪くなかったことは、一応同世代の子供が一人だけいたということだ。おかげで本当に最悪である生まれてから死ぬまで孤独であり続けるというのは避けることができた。

 そうして、私たちが大人にになる前に予定通り世界は滅びてこの世界に来て、この世界で少しだけまともな幼少期を過ごすことができ、ついには先日成人として認められた、大人になることができた。


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