第1997話:クジャ・ラピン~バックスタブ~

「背後から奇襲をかけると相手の不意を付けることにより、急所を突きやすくなる」

「なるほどなぁ、でも当たり前のことでは?」

「まぁ言葉で言うとな、実際にやって見せよう」

「はぁ、いいですけど」

「まぁ安心してくれ、後ろからの攻撃の有用性……いや、特異性を体験してもらうためにやるだけだから、実際に急所をナイフで刺したりはしないさ」

「当然ですよ……」

「さぁ行くぞ。まぁよく見ていろ」

「背後から刺すのによく見てろっていうのは……」

「まぁまぁ、ほら立って」

「はぁ……うわぁっ!!!」

 先生を注視していたら後ろの壁から何か大きい玉がいきなり背中に向かって飛んできた。

「どうだい?」

「それはズルいでしょ!」

「後ろからいきなり攻撃されるとびっくりするだろ?」

「先生が攻撃してくると思うじゃないですか!」

「意識の外から攻撃するって言うのが大事なんだ。急所を突くだけではなく、事態への対処自体が遅れる。その間に追撃をしてもいいし、顔を見られることなく逃げてもいい。後ろから不意の攻撃を加えるというのは容易なんだ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る