第1983話:クリフィ・ラーモル~森の人~

「この森に住んでもうどれくらいなんですか?」

「そうだな、こっちで生まれた時からこの森に住んでいたから、もうどうだったか忘れてしまったよ。ここでの年の数え方もよくわからないしなぁ」

「そんな前から……っていうか生まれた時から!? よくそれで生き残れましたね」

「まぁ、生前の経験でな」

「外と交流ができるようになった時に森を出て暮らすという選択はしなかったので?」

「まぁ、その時点で結構こっちに住んで長かったからね。それにしてもあの時は珍しいものを見るような目で見られたね、向こうも人がいると思って来てないから、とても驚いたと思うよ」

「確か探索者の方と?」

「そうそう、僕はその時こんな翻訳機なんて持っていなかったから、言葉も通じないし、彼も1人で森に入るもんだから用意が無かった、本当に大変だったなぁ」

「それで交流に発展したんですか」

「んー交流に発展したのはもうちょっと後かな。その時はお互い言葉も通じなかったし驚きで逃げられてしまったから、しばらく経ってから翻訳機を持った団体が来てね。いろいろと交易とかできるようになったんだ。あれは助かったなぁ……」

「この取材もその流れからですね」

「ええ、どうにかならないかなと思っていた不便なところがいくらか改善できて助かっています。こうやって話をするとその問題が街の方に共有されて改善が送られてくることもありますからね」

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