第1975話:ミカ・リゲーム~幸運の差~

「まさか本当に自分と戦えるとはな……」

 噂に聞いてきた洞窟、自分と戦えるという話を聞いて来たら奥の広間で本当に自分と戦うことになった。

 鏡が置いてあったとかでは無く、本当に自分自身のように見える何者かがいた。

 構えれば向こうも構え、何も言わずとも戦いが始まった。

 この動きの癖は確かに自分の動きに間違いなく、多少の差異があるような気もするが、それは自分自身ではわかってなかった癖なんだと思える。

 しかし、やはりわかってはいたけど自分自身との戦いはお互いに何を考えているかも同じだから動きが読みやすい。

 自分の癖を外から見てと矯正するのには役立ちそうな気はするが、もともと想像していた劇的な技能の向上には繋がらなさそうな感じだった。

 自分自身との戦いと言えば、覚醒イベントとしての定番だという感じだったが、そうでもなかったのかもしれない。

 結局、戦闘中にお互いばててしまって全く決着はつかなかったし、目安にしていた二時間には全然満たない時間しか戦えなかった。

 なんとなく終わった感を出したからか、向こうも同じことを考えたのか、私が入ってきた方とは別の方へと歩いて行った。

 私も同じタイミングで出口に向かって歩き出したので消えたのかどうかはわからない。

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