第1954話:ラファ・リビング~嘘情報~
「ねぇ嘘の話なんだけどさぁ」
「うん?」
「昨日出かけた時に見かけたんだけど、滅茶苦茶でかい人がいてさ」
「うん?」
「小さい扉をくぐろうとして屈んでたんだけどそもそも幅が足りなくて通れなくなっててさ」
「うんうん?」
「どうするんだろうな~って思って見てたら、立ち上がって少し後ろに下がって、扉に突っ込んだのよ」
「とんでもねぇ……」
「まぁ~扉が小さいしそうするしかないよな~って見てたんだけど」
「そうでもないでしょ、入れなかったのなら諦めなよ」
「どうしても入りたかったんだろうねぇ、それで入口にすごい勢いでぶつかって入口を破壊したんだよね」
「うわー、迷惑だなぁ」
「そのお店がね、今日一緒に行く予定だったところなんだよ」
「えー! それ今言う? 別のお店探さなきゃいけないじゃんか」
「そうなんだよねぇ、どうする?」
「どうするって…… どうしようか?」
「えーと、そうだなぁ……同じジャンルのお店で近い場所にあるとこだとどこだろうなぁ……」
「まぁ、最初に言ったように嘘なんだけど」
「え?」
「だから、最初に言ったでしょ、嘘の話だって」
「えーと、つまりその店にでかい人が突っ込んで入口を破壊したってのは嘘だったってこと?」
「うん、嘘だった」
「つまり、今日行く予定だった店は別に壊れているわけじゃないってこと?」
「うん、嘘だったからね」
「なんでそんな話を……?」
「面白いかなって思って、ていうか昨日ずっと一緒にいたでしょ」
「そういえばそうだ……」
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