第1948話:ラバ・リアム~パワー~

「力を感じる……これが、パワー……?」

 弟子になりたいという若者に能力を与えたらなんか妙なことを言い出した。

「それ、ただ言い換えてるだけじゃ……?」

「パワーを授けると言われて授けられたんですよ!この力がパワーでなければなんなんですか!」

「いや確かに超常のパワーを授けた、それは超常のパワーという話であって、力はパワーだし……えーと、単に同じ言葉なんだよ」

 何を言っているのかがわからなくなってしまった。

「えーと、とにかくその感じる力が私の与えたパワーというのは合っている。しかしわざわざ言葉にするのは止めるんだ、なんか混乱するから」

「そうですか……」

「ともあれ、パワーの扱い方を説明しよう。先ほどパワーを授けたときに感じた力、それを心地の良い場所に……っく、さっきのやり取りのせいで変に引っかかってしまうな……」

「よくわかりませんが大変ですね」

「まぁ、たぶんこれは君のせいでは無く、私の勝手な違和感のせいだから気にしないでくれ。えーと、こう心地の良い場所に力を集中させてみてくれ。与えたタイミングで力を感じることができるのならばまぁ容易だろう」

「あ、こうですね。力が脚に集まるとなんかいい感じです」

「君の適正は脚か、ならうまくやれば空を飛んだりできるだろう」

「空を飛んで飛行できるってことですか」

「……君の言いまわしとどうにも相性が悪いかもしれない。すまない、パワーは授けたが弟子入りは無かったことにしてもらってもいいかな?」

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