第1932話:アルーラ・パフィー~ウサギを追う~
「やっぱり狩りの対象としてウサギはちょうどいいな」
攻撃してこない、適度に逃げる、食える、年中発情期で増えやすいとウサギは狩りの対象として神に作られたのではないかと思えるぐらい狩りの対象として優れた動物だ。
更に割と広い範囲の世界にウサギは生息しているためこの世界でも森や丘に出かければ容易に痕跡を見つけることができる程度には広い分布を持つ。
というわけでウサギ狩りに森へ来ているわけなのだが、今日の獲物は特に逃げるのが上手い。
少し気を抜くとすぐにどこへ行ったか分からなくなってしまう。
しかし、私の卓越した狩りのスキルにかかれば再補足など容易なもので、すぐに追いかける。
しかし、妙な森だ。
人が何度も踏み込んだ形跡はあってウサギの痕跡も多数みかけるのに、この森が狩り
に適した森としての情報は一切ない。
誰も狩り目的で訪れていないからかもしれないが、何かあるのかもしれない。
まぁ、それならば周りに気を付けていれば良いだけだ。
「この辺に巣穴がありそうな気がするな」
ターゲットのウサギを追い入ってきた森の奥、この辺りの環境はうさぎが巣を作るのに適しているように見える。
「ん、あれは……」
一度見失ったウサギを探して周りを見ると、奇妙な物が見つかった。
「人骨……?」
積まれた人骨、こんな広かったり迷ったりしそうも無い小さめの森で遭難して死んだにしてはやけに数が多い。
もしかしたら何かあって、誘い込まれたのかもしれない。
そう気づいた直後、足元が崩れて穴が開いた、底は暗くて何も見えない。
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