第1929話:カジー・ラープス~時間と空間~

「時間と空間を操る存在に会いたい~!」

「時間と空間を操る存在になりたいじゃなくて?」

「そんな壮大なことは考えていない」

「まぁ会いたいでも十分壮大だと思うけど。一応聞いておくけど、合ってどうするの?」

「そりゃあ、仲良くなってたのみを聞いてもらうのよ」

「まぁそんなことだろうとは思ったけど、例えばどんな頼みごとを?」

「そりゃあ、遅刻したときとかに時間を戻して目的地まで送ってもらうとか」

「壮大な相手に頼むことが小さい……!」

「いやーでもそんなもんじゃない? 別に私世界征服とか考えたことないし、時間と空間を操れるようなすごい存在に見限られたらもう人生終了じゃん? めちゃくちゃ狭い空間に無限の時間閉じ込められたりしそう」

「裏切られたりとか騙されたりとかじゃなくて見限られたらってところが身の程わきまえてていい感じね」

「だって大体そういう超越存在を従えられるほどの実力も仲間に引き入れる話術もないし、なんならそういう存在はやる気なら私が唆さなくても世界征服ぐらいするじゃない? だから私がやってみたいからって頼み込んでしかそんなことしてくれなさそうだし、その場合の関係性だとやっぱ見限られてかなぁって」

「自覚的小市民、たぶん尊大な存在が気に入ってくれそうな感じがとてもいいわね」

「小さなことぐらいなら聞いてくれそうでしょ」

「ただ出会う前に戻って出会わないことにしたいぐらいには自覚的な小市民性を押し付けて来るわね」

「そっかぁ」

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