第1915話:アラベル・タラト~無敵判定~

「よぉし! 隙だらけだ!」

 魔物を討伐中、クリティカルな一撃が入り魔物がうずくまる。

 何かエネルギーの高まりを感じるが、動かなくなっているのは都合がよい。

 今のうちにさらにダメージを与えてそのままとどめを刺してしまおうと、飛び込もうとしたところを制止された。

「待て、今近づいてはいけない」

「なんでだよ、なんか力をためているのはわかるけど、動かねぇじゃないか。その間にボコボコにしちゃいけないのか?」

「ああ、だめだ。理由は二つ。まず一つ目に、あのチャージが完了した瞬間にあいつの近くにいると即死しかねないほどのダメージを負う爆発が発生するということ、そして二つ目に、あの状態のあいつには無敵判定がある。どんな攻撃もあの状態のあいつには通用しない」

「無敵……判定?」

 聞きなれない状態だ。

 攻撃が通じないというのはどういうことなのだろうか。

「そうだ、無敵判定だ。元々がゲームで生まれた魔物の場合、ダメージが通る通常の状態と、ダメージが通らない無敵の状態を切り替える判定がある。無敵判定のある状態の存在には一切の攻撃行為でダメージの計算が行われず、時間を無駄にするだけ。今のうちにこちらも大勢を整え直し、あいつの爆発後に現れる第二形態のあいつに備えるのだ。第二形態のあいつは素早いぞ」

「なるほど……そういうこともあるのか……」

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