第1916話:カラバル・リギィ~鎧~

「おいおい、やけに軽装だな。お前、今から何と戦いに行くのか理解しているのか? ガリアンだぞ? 巨大な岩を一撃で破壊するような怪物だ。そんな生身同然の姿で戦いを挑むのはいささか無謀が過ぎるんじゃないかね」

「ふん、私に言わせればそんなちゃちな鎧でガリアンの攻撃を多少の軽減もできるとは思えんがな。あのような鈍重な物避ければよいのだ。攻撃を軽減もできん重い鎧はただの邪魔になる」

「ほぉん、俺は死体を持ってかるのは嫌だぞ?」

「私とて嫌だ。その死体が重い鎧をまとっているとなればなおさらだ」

「なにぃ?」

「なんだ?」


「やるじゃねぇか……軽装を活かしてあいつの間合いの内側に入ってかく乱し続けるとは……見誤っていたみたいだ。バックラーでのの技術もすげぇんだな。絶対に腕が折れたと思ったもんよ」

「いやなに、君の鎧の使い方も素晴らしいな。まさか、関節をロックして一つの塊となり、ガリアンの攻撃を正面から盾で受け止め切るとは……」

「なぁに、それこそ鎧の性能よ。並みの鎧なら固めたところでバキバキグチャっとなるさ」

「なになに、そのうえで真正面から受ける胆力、賞賛に値する。ヨシ、今夜は飲みながら語り明かそう、君の戦い方をもっと知りたい。教えてくれないか」

「俺もあんたのバックラー術を聞きたいと思っていたんだ、もしかしてその脚甲とかも同じような使い方をするのかい?」

「ああ、これは……」

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