第1897話:ララウル・レイブル~要塞化~

「今夜は見張りがあちこちにいるな……」

 今日線を引く場所を見に来てみたら、やけにいろんな場所に人が配置されている。

 これではこっそりと線を引くことができない。

 最初に手間がかかるからって思って壁を建てたのがまずかったか。

 もう壁のような大規模で手間のかかる線は必要ないが、あれだけ見張りが多いとただ線を引くだけでも見つかってしまうだろう。

 どうしたものか……

 このまま線が引けず陣が完成しないことにはどうにもならない。

 あの壁も壊れなくなっているとはいえ、どれだけもつかわからないし早く何とかしないといけないな……

 例えば、誰か協力者を得るとか……


「今日は新しい壁とかできてなかったな」

「ああ、さすがにあれだけ見張りがいる中じゃできんでしょ。話によるとあの壁は手積みだって話だし」

 昼間に町にいるとあの壁のことが話題に上がりがちだ。

 まぁ意図不明で何か怪しいし邪魔になるっていうこともわかる。

 とはいっても、私としても誰かに目的を話すわけにはいかない。

 誰か、目的を話すことなく協力してくれるような人がいてくれたらいいんだけど……

 誰かいないものか……

 誰か……誰か……?

 何か協力してもらうために私から出せるものがあればいいんだけど。

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