第1896話:アラカ・ファラリウ~魔法陣~

「この壁、何か魔術的な物を感じます」

 突然町に現れた奇妙な石壁はどうやっても破壊することができず、魔術の心得がある人に依頼を出して診てもらった結果、やはり魔術的な物であることが分かった。

「詳細はわからないですけど、たぶんイアリア式……かな? この壁単体では特に何かの効果を持っているような感じはしないですね」

「壊れないのは?」

「それはこの壁の目的じゃないと思います。ただ魔術的な何かを含ませた結果、壊れなくなってるって感じじゃないかと……」

「てことは、壊れない壁を作ることが目的じゃなくて、何かをするのに壊れない壁が必要だったってことですか?」

「まぁそんな感じですね。この壁を作るのは魔術的な補助があっても結構大変だと思うんで、一晩で一枚って感じじゃないですかね?」

「この壁がこれ以降も増えると?」

「一枚で何かすることはないってことは増やして何かする目的なんじゃないですかね?」

 それはかなり良くないな……

「目的を推測して次に壁が作られる場所がどこかわかったりしないか?」

「うーん、この壁一枚だとわからないですね。私がイアリア式に詳しくないってのもあって、完成して効果を発揮し始めないとそもそもが何なのかってのも怪しい……多分魔法陣の一部だとは思うんですが……」

 まだ続くってことはいろいろな場所を張って犯人が現れるのを待つしかないか……

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