第1806話:イテ・ジルボ~この世は終わり~
「この世界はまるで崩れながら増設して進む船のようだな」
そのつぶやきが私の中で何度も反響する。
この世界で生まれる物は無い。
全てはよその世界で死んでこの世界で生まれなおしたものばかりで、当然時間がたてばそれらも失われていく。
受け継がれていくことはそうそうない。
正に、常に海に部品を食われ続けていき、どこかから調達できた資材で補いながら進んでいく船のようだ。
それが悪いとは思わない、いや悪いと思っても世界のシステム故に是正することなど不可能だ。
しかし、憂うことはできる。
もし、他に存在するすべての世界が滅んで、新しくこの世界に来る人間、生物が存在しなくなったらこの世界は文字通り終わる。
どうにか新しい物をこの世界で生み出そうとしている人もいるのは聞いているが、どうにもうまくいっていないらしいし。
それだと、やはりこの世界の終わりは不可避なのだろう。
そんな遠い未来の話に思いを馳せていると、今身近な問題が矮小化して、大したことないように思えてきてよい。
今の悩みは明日になると破綻する予定の事業があって、それをどうしたらいいのか考えている。
実際はどうにもならないので、破綻後の身の振り方の方を考えておく必要があるんだが、もうどうにでもなれという感じだ。
寝よう。
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