第1789話:ケーリ・ルス~おもち~
「おもち?」
「そう、でんぷん質の多い穀物を炊いて潰して作る粘着性の高い食品ですね」
「いやおもちの概要は知ってますよ、おもちがどうしたんですか?って話です」
「いや、こないだ久々におもちを生で見たんですが、やっぱりあれ正直まだ怖いんです……」
「おもちが怖いんですか?」
「うん、おもちは怖いよ、私がこの世界に来たきっかけもおもちだったもの」
「おもちで……ってよく話には聞きますね」
「そうなんですよ……、まだ詰まるんじゃないかって気がして……」
「まー死因になった物は仕方ないよね」
「うん、ずっとおもちを克服する会に参加してるんだけど、やっぱりダメで……」
「そんなのあるんだ」
「けっこうおもちで死んでおもちが苦手って人、多いんだ」
「まぁ、そうだろうけど」
「中にはおもちに足を取られて攻撃を避けられなくて死んだ人とかもいて」
「それはなんかおかしくない?」
「おかしくなんかないですよ、おもちは有毒成分を含まない食品の中で最も人を殺していると言っても過言ではないぐらいに致死性が高い食品ですから」
「うーん、それは確かにそうなんだけど、ほらやっぱりさ、食品ではあるんだし食べて詰まってっていうのが、おもちの怖いところで……ケーリさんもそうでしょう?」
「いえ、私はおもちを食べて死んだことはなくて、ただ無限膨張餅が異常気象で膨らみ続けて都市の出口になってるパイプに詰まってしまって……」
「無限膨張餅!?」
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