第1782話:フラト・リフティ~引っ越し~
「え、立ち退き!?」
「そうなんですよ。急に決まっちゃって……すみません」
「困るなぁ、引っ越し先はどうしたらいいんです?」
「それは手配してあるから、手早くそっちに引っ越してもらえばいいよ」
「簡単に言ってくれるなぁ……」
まぁ引っ越さないといけないというなら引っ越すが……
そうなれば、仕方ない。引っ越すぞ。
とりあえず大家さんが短期で契約してきてくれたレンタル亜空間にすべての家財を入れる。
問題はそれではない。
亜空間に仕舞うことのできない必需品、丹念に施したまじないを取り払わないといけない。
本当ならあと数年はここに住むはずだったから、かなり強いものを施してしまった。
期限も短いから手早く済ませてしまおう。
立ち退きというならばどうせこの建物は破壊するだろうし、とりあえず破壊するうえで問題がない程度の状態まではしておかねば。
うーん……困ったな……
ダメだな、思ったより強い。
解呪するのが思ったよりも手ごわい、昔の俺は何を思ってここまで強いまじないを自分にも解けないようなものをかけたんだ。
困ったな……
まぁ、別に俺は突然立ち退きを要求された被害者なわけだし、このままにしてもいいか……
別に俺は困らんし、むしろ困らされたわけだし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます