第1694話:テケレット・パート~麻痺~
体がしびれて動けない……
しびれ薬を噴霧する罠を踏んでしまい、体が動かせない。
幸い、近くに危険な獣はいなかったはずなので、時間がたてば動けるようになるだろう。
そうやって、楽観的に考えていると何者かの足音が聞こえた。
首もしびれてしまっていてうつぶせの状態なので何が来たのかを確認できない。
人間を襲うような危険な獣は近くにいなかったから心配はいらないと思うが……
「おい」
声をかけられた。
どうやら相手も人間のようだ。そう一瞬安心したが気づく。
俺が踏んだ罠を仕掛けた人間かもしれない。
獲るような獣もいないこの辺りでしびれ薬を噴霧するような薬を撒く罠を置くなんて、何を狩ろうとしていたんだろうか。
「大丈夫か?」
ああ、助けに来てくれたのか。
「う……」
のどもしびれて応えられない。
「まぁ、大丈夫じゃない感じだな。まぁ仕方ない、連れていくか」
持ち上げられた、背中側を掴まれて吊り上げられ、声の主の姿は見えない。
ずいぶんと怪力のようだ。
そのまま、声の主は洞窟に入っていった、こんな洞窟に住んでいるのか? ずいぶんな厭世的な生き方をしている人のようだ。
そして、洞窟の奥の広くなっている場所で、平らに整えられただけの岩の上に寝かされて、ようやく声の主が見えた。
しびれて動けなくなった俺を拾って連れて帰った、その主はドラゴンだった……
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