第1678話:イメ・ペッペ~竜の卵~

「竜の卵が欲しいなぁ~!」

「正気か?」

「いや、わかってはいるんだよ。もう竜の子供が入ってる卵しかないっていう話はさ」

「まぁ、わかっているならよかったよ。で、なんで竜の卵が欲しいんだ?」

「知ってるだろ? 竜の卵の伝説」

「どれの話かによる。滋養がすごいって話なら知ってるが」

「そうそれだよ、竜の卵の滋養の強さ。俺は今ちょっと健康がブームでな、滋養のある食い物である竜の卵が食べたいんだよ」

「正気か?」

「正気なんだよなぁ! 別の滋養のある食い物でもいいが、俺は竜の卵が食べたい!」

「とはいってもなぁ、竜の卵なんてもしあったとしてもそうそう手に入るもんじゃないしなぁ……」

「竜だって無精卵とか生まないのか?」

「どうかなぁ、知ってる竜は単為生殖だからな……無精卵はないんじゃないか。滋養があるのもそういうことだと思うし」

「だよなぁ」

「ちょっと調べてみるか、竜の卵、通販っと」

「いやさすがにないんじゃないか?」

「あった、養殖物のやつだけど」

「竜の卵って養殖されてんの!?」

「みたいだなぁ、値段も思いのほか手ごろだし、注文してしまうよ」

「まぁ、そうだな」

「ほら、見てみろよ」

「何だ?」

「卵を産んだ竜の顔写真が貼ってある」

「へぇ、面白いな……これ竜か?」

「竜の一種っぽいが」

「まぁ、竜か」

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