第1671話:レイブ・ユニー~想像上の存在~

「ヴィヴィヴィリアムを探しに行く!」

「ヴィヴィヴィリアム……? 何?」

「私が昔いると思っていた幻の動物!」

「幻の動物ならいないだろ、一般的に知られていた動物なのか?」

「全然、私が考えて私がいると思ってただけの動物だから私以外は知らないんじゃないかな?」

「じゃあいないだろ……」

「いやいや、私は聞いたんだ、この世界に無い物はないってさ!」

「いや、まぁ確かにそうは言うけどさ、さすがに個人の想像上の存在はいないと思うんだよな……、名前が同じ奴ならいるかもだけど、さすがに想像の存在そのままのやつはなぁ……」

「いるに決まってるよ!」

「まぁ、いるかなぁ……」

「とーぜん、もう一ついいこと聞いたもんね。滅びた世界もここに来るでしょ? だから、私の頭の中の世界もこっちに一緒に来てるはずだよ!」

「なるほどね? それは確かに一理ある、のかな?」

「でしょ? だから探しに行けば見つかるはずなんだよ!」

「まぁ、もしかしたらどこかにあるのだろうけど、どこを探しに行くつもりなんだ?」

「私の頭の中の世界なんだから、私が行くところにあるはず!」

「まぁ、確かにそうなのかもな……いや、あれまてよ?」

「どーした?」

「どこにあるのかがわかった」

「どこ!?」

「お前が行く先にあるってのなら、ここにあるってことだ。ここ」

「ん? どこ?」

「お前の頭の中の世界は、お前の頭の中にまだ残ったままだってこと、探しに行くまでもなくな」

「……なるほど?」

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