第1663話:フィユル・ウィンブ~抗菌グッズ~
「銀パウダー塗布?」
「そう、抗菌素材なんだ。安心安全のね」
「あー、そうか、君はなかなかに潔癖症だったっけね。うん、まぁいいんじゃないかな。君がよければ」
「なんだい、何か含みがありそうな言い方だね。何か文句でもあるのかい?」
「いや、何も言うことはないよ、どうしても聞きたいっていうなら話すけどさ」
「聞かせてくれよ」
「そうだなしかたない、銀には殺菌作用がある。それは確かさ」
「うん」
「でもね、この世界では銀では殺菌効果を銀に期待するのはちょっと微妙なんだ」
「え!?」
「そう、実は銀を使うほどこの世界では殺菌する必要ないんだ」
「どういう意味?」
「繁殖しないんだよ、菌がさ。ほら、菌って分裂で増えるだろ? この世界ではそういう増え方ができないから、殺菌が必要になるほど菌が湧かないんだよ」
「えー! ほんとに!?」
「ああ、そうなんだよ……残念ながらその塗布された銀パウダーにはあんまり意味が……」
「じゃあこの世界はすごい清潔ってことじゃん! やったー!!!」
「あー、そうだな、そういうことになるな。まぁ、それでいいならいいか。まぁ、もったいないって思ったがそういう考えがないのなら、それもいいな」
「そうだよ! こんなに喜ばしいことはないよ!」
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