第1621話:エリーテ・ウルテリーテ~生成生物~
「なんか、表に変な動物が入った檻が置いてあったんだけど……」
「ああ、あれ。あれは私が作った生き物たちだよ」
「えぇ!? 生物の作成に成功したの!?」
「いや、あれは私が前の世界で作った動物だ。最近施設が処分されたのか、みなまとめてこちらに来てね。どこから調べられたか私に声がかかって、引き取ることになったのさ」
「なるほどねぇ……それにしても、なんていうか……個性的な動物たちだね?」
「言っちゃっていいよ。キモイ生物だって。別に私にも思い入れがあるわけでもない。様々な既存の生物を学習させた機械に設計させて構築した生物で私のセンスじゃない」
「へぇ、既存の生物からこんな変な生き物ができるんですかぁ、エリーテの世界って変な生き物ばかりだったの?」
「いや別にそんなことはない。割と普通のいきものばかりだったよ。何をもって普通というのかはこの世界にいるとよくわからなくなるが……」
「だって、表にいたの腕が奇数だったり頭が大きくへこんでたり、そんな生き物見たことないし」
「合成獣なら、見たことあるパーツの組み合わせにもなるんだが……、あれは構造を分解して混ぜていい感じに再構築したものだからなぁ、特徴の混ざり方がいびつなんだよ。腕の数が4と2が混ざって3になってることもあるし、2と2と2で混ざって3と1という偏った腕の付き方をする奴もいる。そんな気持ち悪い見た目の生物を施設の中ならまだしも、外で飼育するのはかなり厳しいからな。施設の廃止とともに処分されるのも致し方なしという感じだ。正直私も飼いたくはないのだが……野に放ってもなぁ……一匹ぐらい持ってくか?」
「ふわふわコロコロのやつなら欲しい」
「そんなのは……いないな」
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