第1620話:レレーイ・エルトル~圧迫面接~

「普段は何を?」

「あ?」

「いや、パーティに入るにあたって君のことを知りたいと思ってね。いろいろ聞かせてくれよ」

 これは、噂に聞くパーティ加入時に行われるという、圧迫面接……!

「普段はそうですね、調子がいいときは魔物を狩りに、それ以外の時は鍛錬や読書をして過ごしてます」

 真面目な印象を与えろ、パーティに入るなら真面目で魔物狩りに意欲的な方がいいだろう。

「ふぅん、いつも?」

「え、えぇ、大体の時は」

「なるほどなるほど、そいつは結構」

 なんだか、興味がなさそうな反応だ。

 いや、興味がなさそうなふりをしてプレッシャーをかけてきているのでは……?

 圧迫面接、なかなか恐ろしい……

「得意武器は大剣、前衛で敵を引きつける立ち回りができます」

「なるほど大剣、腕も太いなぁ。そうだ、好きな食べ物って何かある?」

「好きな食べ物ですか? そうですね、プレイテですね」

 好きな食べ物? パーティ加入に関係あるのか?

 意表を突かれすぎて素で答えてしまった。

「プレイテ、そっかぁ」

 やはり何か間違えているのか……?

「趣味とか、無いもんね。鍛錬と読書で過ごしてるって言ったもんねぇ」

 もしかして、これは面接じゃなくて雑談だったのか……?

 間違えていた……?

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